タイトル : ヘ音や風
日 時 : 2007年11月17日(土) 20:00~
会 場 : Radio & Records ( 札幌市西区琴似1条4丁目2-15 ニシムラビル3F[map] [URL] )
出 演 : ヘ音や(河合修吾(tb), 渡辺文(チェロ), 広瀬いずみ(pf))
へ音やのデビューライブを聴いて、はや3ヶ月。待ちに待ったへ音やのライブだぁ!と楽しみにしていたら、こんな([url][url])お知らせが...。ベースの釜鈴さんが緊急入院....。
ということで、今回は、ゲストにピアノの広瀬いずみさんが加わった「へ音や、みたいなぁ」というスペシャルグループに。ちなみに、いつもは、渡辺さんが男二人を従えて...というトリオなのに、今回は、河合さんが「女性2人をはべらせて」なグループに。でも、自称「シャイな男」である河合さんは、チャンスを生かすこともなく、いつもの定位置(向って右側)にセット。せっかくなんだから、真ん中に座って「両手に花」状態になればよかったのに。
さて、演奏。
やっぱり、いつものメンバーが揃っていないと、ずいぶん違和感がある。「いつものメンバー」と言っても、僕は、一回しか体験していないのだけれど、演奏を聴きながら「これは、『へ音や』ではなくて、『へ音やっぽい音』だなぁ」と思ってしまうのは、初回のインパクトが強かったからなんだろうな。初めてのライブで「これが、自分たちの音です」っていうのを聞かせてしまった3人って、すごいのかも。
ただ、その印象の強さが、今回のライブでは、裏目に出た感じ。リハーサル期間が短くて大変だったり、精神的に動揺したりというのがあったはずなのに、演奏そのものには問題があるとは思えない。けれど、頭の中では「へ音や」の音が回っているために、何を聞いても「なんか、違う」と思ってしまうのだ。メンバーが1/3違うんだから、音が違って当然なのに。こうなると、個性が強いのも考えものだ。むむぅ、悩ましい。
ピアノと言う「和音が弾ける楽器」が入ってしまったために、前回のライブの売りだった「単旋律楽器3台が奏でるメロディが作り出す微妙なバランス」が、消えてしまったのが痛い。「ピアノの演奏者に問題がある」という話ではない。楽器そのものの特性の問題だから、演奏者としては、どうしようもないのだと思う。
なにしろ、ピアノがバーンと音を鳴らすと、単音楽器が一生懸命紡いだ音が、一瞬にして吹き飛んでしまう。「良くも悪くも、ピアノって、すごいなぁ」と思った瞬間だ。さすが、「楽器の王様」って言われるだけある。そして、「王様」の存在は、どうしても王様中心の世界を構成せざるを得ず、あの「3人の綱引きによる、バランス感覚」は、失われてしまう。。
さらに、和音が作り出す圧倒的な音の厚みも、あのへ音やの音にはなかったものだ。バロック時代に、あんなに流行っていた対位法が、和声に駆逐されてしまった(...ってのは、かなり言いすぎだけど)理由がわかる気がする。対位法みたいに難しいこと考えなくても、「この音の並びには、この和音」ってハメ込んでいけば、あっと言う間に分厚いサウンドができ上がる....ように、素人には思えるけど、これは、きっと僕の偏見。
いずれにしろ、素人の僕には本当の原因がわからないけれど、ピアノから和音が飛び出してくるたびに、「へ音や」とは違った世界を構築してしまうのだった。今までは、ピアノの音や和音の効果を、こういう感覚で聴いたことはなかったので、それはそれで興味深くて、どうなっていくのか気になる。こんなことは、聴き手が口を出すことではないけれど、ピアノに対して「和音禁止」「単旋律only」という拘束の下で演奏してもらえたら、、へ音や(基本セット)が出していた音に何かが加わった音になっていたかもなぁ。
とはいえ、Calling youでは、3人がへ音や(基本セット)と勝るとも劣らない素敵な音を紡いでいた。物悲しさと切なさ満点。なんとなく、「早く帰っておいでよ」と、入院中の釜鈴さんに呼びかけているように聞こえたのは、気のせいか?
釜鈴さん、早く元気になって帰っておいでよ。みんな、待ってるよ。