タイトル : ヘ音や
日 時 : 2008年05月17日(土) 20:00~
会 場 : Radio & Records ( 札幌市西区琴似1条4丁目2-15 ニシムラビル3F[map
] [URL
] )
出 演 : ヘ音や(河合修吾(tb), 渡辺文(チェロ), 釜鈴徹(5弦bs))
タイトル : ヘ音や
日 時 : 2008年02月16日(土) 20:00~
会 場 : Radio & Records ( 札幌市西区琴似1条4丁目2-15 ニシムラビル3F[map
] [URL
] )
出 演 : ヘ音や(河合修吾(tb), 渡辺文(チェロ), 釜鈴徹(5弦bs))
2007年8月以来、半年ぶりの「へ音や@Radio & Records」。
1回目のライブを、素敵に、そして華麗にやりのけた後、ライブのたびに事件が起こるという噂の「へ音や」。2回目のライブ[report]は、メンバーの入院で、「へ音や風」になってしまったし、今年1月の砂川ライブ[report]は、メンバーの一人が、ライブ直前まで一寸したトラブル状態。さらに、帰りには、車を埋めてしまうトラブルまであったらしい。このときは、メンバーだけではなくて、観客であるはずの僕も、砂川を通り越して深川まで行ってしまうという大失敗をしでかした。
というわけで、「今回は、どんなトラブルが」と、ドキドキワクワクしていたら、単なる「悪天候」だけで、超安堵。ええ、ちょっと吹雪いて、店の窓から向かいの建物が見えなくなる時があっただけさ。大したことない、これくらい。そう言いながらも、「もしかして、お客さん、これなかったりして」と心配していたけれど、ライブ15分くらい前からどんどんお客さんが入ってきて、あっという間に満席。すごいぞ、へ音や。実質2回、それも、札幌では1回しかライブしていないのに、もう、こんなに人気爆発。次のライブからは、予約入れておかないと、座れないことになりそう。
オープニングは、ビートルズの"Fool on the hill"。
直前のアクシデントと、リハーサル時間が足りない中で音をまとめなくてはならなかったためか、意識的に他のメンバーとの息を合わせたり、ほかのメンバーを気遣ったりで、自分の演奏にに没頭できないように見えた「へ音や風」ライブのナーバスな音とはちがって、今回は、いきなり「真剣勝負」の様相。静かに優しい演奏なのに、置く深いところに流れている緊張感。良い意味で、3人が遠慮することなく「自分のへ音や」のための音を出しているにもかかわらず、3人の音がきっちり組み合わさって「3人のへ音や」の音になっている。
アレンジの効果か、メンバーの思い入れの強さか、はたまた、たまたま彼らの音にフィットしているのか、"Fool on the hill"が、彼らのオリジナルに聞こえるところが面白い。本家「へ音や」で、この曲を聴くのは2回目(深川のときは、遅刻したので演ったかどうかわからない。たぶん、演奏したと思うんだけど。)なんだけど、すでに「彼らの曲」だ。
この曲以外にも、"Calling you"と"Alfie"も、もはや彼らの曲と言っていいかもしれない。特に、"Alfie"は、釜鈴さんがぞっこんで、ヘ音やで演ることが決まった時に、ほかの2人に演奏者やアレンジの違う演奏を数十種類送りつけたというエピソードがあるくらいだ。それだけなら「メンバーのこだわりの曲」で終わるところだが、ほかの2人も只者ではないので、その数十種類の"Alfie"を何日も聴き続けたというから、彼らがこの曲にかける情熱は、半端ではない。
前半の演奏は、『アランフェス』と『スペイン』という、スペインつながりの、しかし、対照的なイメージの2曲で終了。
『スペイン』は、オリジナルを聴いていてもドキドキするくらい難しそうな曲なのだけれど、これを目の前でへ音やアレンジで聴くと、もっとドキドキする。1月の砂川では「1回目は、失敗した」らしいのだけれど、今回は、難なくクリア。「わざわざ、こんな曲を選ぶなんて、もしかして、3人ともM属性?」などと、わけのわからないことを妄想していたのだが、実は、これは序の口。
今回のクライマックスは、後半2曲目のバッハだった。
『音楽の捧げもの』の1曲目の『3声のリチェル力ーレ』。砂川ライブで始まったバッハシリーズ。普通は、鍵盤楽器で演奏する曲だよね?いや、バッハの曲は、作曲者が意図していない楽器で演奏されたり、楽器の指定がなかったりするから、トロンボーン、チェロ、ベースで演奏して行けない理由はないのだけれど、鍵盤でさえ面倒そうなフレーズが、この3つの楽器で弾けるものなんだろうか。それも、バイオリンやギターのように指や腕の移動距離が短い楽器ならいざ知らず、何を好き好んで、あんな腕も指も動かさなくちゃならない楽器で...。曲の後のMCで「楽譜通りに演奏しました」って。信じられん。3人とも、かなりM属性に侵されてるんじゃないか。
演奏している3人には申し訳ないけれど、スリルは満点。3人全員が奏でる音が織りなす、音のタペストリー。繊細な感じと透明感は、ガラス細工と言ったほうがいいかもしれない。巨大なグラス・タワーを積んでいく作業を見守っているような緊張感。どこかで失敗すれば、それまでの努力は水泡に帰すのがわかっているだけに、自分が演奏しているわけでもないのに、息が詰まるような気持ち。曲が終わったとき、なんとなく息苦しいと思ったら、「息が詰まる気持ち」どころか、実際に呼吸が浅くなってたらしい。
これぞ、へ音やの醍醐味だなぁ...と、勝手に納得。「すごいなぁ」と感心していたら、本人たちの自己評価は「もっとがんばりましょう」だったらしい。うーむ、音の道は厳しい。
アンコールは、"Isn't she lovely"。「へ音や風」の時に助っ人参加した広瀬いずみさんがピアノで参加。ベースが入ることでピアノに対抗できる勢力圏が構成されたのか、和音が入っても違和感がない曲だったのか、広瀬さんが「和音の誘惑」に抗したからか、「へ音や風」の時のように「偉大なるピアノの存在」という感じはないけれど、やっぱり「へ音や風」に聞こえるんだな、これが。できあがっている音に、新しい音を違和感なく加えるのは、さすが、プロといえども難しいらしい。演奏後、「ピアノが和音を使ったので、あとでお仕置き」と釜鈴さんのコメントが笑いを誘っていたけれど、「ピアノに和音弾くな」って言うのが無理なんじゃないか...と。次回は、モノフォニックのシンセサイザーで参加していただいたら?
もっと聴いていたかったけれど、続きは次回のお楽しみ。次回は、2008年5月17日(土)の予定とのこと。今から、楽しみ。実は、すでに、あの息詰まるような「バッハ」を聴きたかったりするのだった。
曲目リスト
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- Fool on the hill ( The Beatles )
- Bluesette ( Toots Thielemans )
- Calling you ( Jevetta Steele )
- Alfie ( Burt Bacharach )
- Concierto de Aranjuez ( Joaquín Rodrigo Vidre )
- Spain ( Chick Corea )
--- 休憩 --- - 曲目不明
- 3声のリチェル力ーレ~音楽のささげもの ( J.S.Bach )
- How Insensitive ( Antonio Carlos Jobim )
- The April Fools( Burt Bacharach )
--- アンコール --- - Isn't she lovely ( Stevie Wonder ) with 広瀬いずみ(pf)
タイトル : へ音や ライブ
日 時 : 2008年1月20日(日) 19:00~
会 場 : はーもにー ( 砂川市砂川東6条北11丁目4 [map
] )
出 演 : へ音や
ベースの釜鈴さんが緊急入院してしまったために、ついに聴くことができなかった、去年11月のライブ([url])から、約ふた月。ついに釜鈴さんが復帰した本物の「へ音屋」を聴くことができる日が...と意気込んで砂川へ。「冬だから」と時間にたっぷり余裕を持って出かけたのだが、意気込みすぎて、気がついたら深川にいる僕。時刻はすでに19時10分前。「砂川、滝川、深川なんて、川の付く地名が続くのがよろしくない」と怒ってみたものの、時間が戻るわけもなく、半べ状態で、はーもにーにたどり着いたのは、ほとんど20時。(実は、さらに、お店の近所で迷って時間を喰った。)
終わっちゃったかなぁ...と思いながら、店をのぞきこんでみたら、もう少し演る気配。うれしかったなぁ。
席についてすぐに始まったバッハ。
気持のいい音を紡ぎ出す釜鈴さんのベースが聞こえるというだけで、十分嬉しい。河合さんもあやさんも、前回の「へ音や風」の時よりも、リラックスして楽しんでいる感じがする。前回の「へ音や風」も悪くはなかったのだけれど、突然のことに動揺してただろうし、準備期間が短かったこともあってか、3人とも自分の居場所を求めてさまよっている様な音だった。あの時は、あの騒ぎの直後というのに、ちゃんとした演奏になっているところがプロだなぁと感心したりしてたわけだけれど、やっぱり「良い状態」とは言えなかったんだなぁと、今更ながら思う。
ラテンの曲に移っても、3人の音の安定感は変わらない。3人とも、「いつ他の2人に寄りかかっても大丈夫」と信じているかのように、危ない所を平気な顔で渡っていく。こういうのは、トリオのおいしいところ。2人だと支援隊が不足だし、4人以上だとハラハラドキドキ感が減ってしまう。信頼していた他の二人がコケると大惨事になるというのに、そんなこと、まったく想像もさせないところが素敵。
さらに、今回は、釜鈴さんの新兵器も登場。その名もディストーション(だと思う。)。その昔、キング・クリムゾンが歪ませたベースにフェイズシフターかけて、左右に飛ばしていたりしたけれど、まさにあんな感じの音。もしかして、この3人の演奏で『21世紀の精神異常者』とか聴ける日が来るのか? "Easy money"でも良いけど。...と考えていたら、意外とイケそうな気がしてきた。演るのは彼らなので、彼らにとっては、こんな「聴き手の勝手な想像と期待」は迷惑だと思うけれど。アレンジも演奏も大変そうだな。この新兵器、使い方をまちがえると「音は厚くなったけど、どことなく安っぽいね」ということになりかねないので、「ご利用の際は、慎重に」ということになりそう。
すでに、彼らの曲になりつつあるCalling you。前回のライブのときは、まさに『Calling 釜鈴』と曲名を変えた方がいいような「帰っておいでよ」になっていたけれど、今回は、感情移入抑え気味バージョン。前のも「泣きのcalling you」で悪くないんだけれど、いつもあれでやられると、キツいかなぁ。特に、落ち込んでる時に聞かされると、立ち直れなくなるかもしれない。それに比べて、今回は窓の外の雪景色を見ながら聴いていると、いい感じにしんみりする。「感情移入すれば良いというものではない」といういい例かな?きっと、こういう状況でウイスキーでも飲むと、「おとな」な気分満点なのだろうけど、残念なことに、僕の足は今回も車。
2回のアンコール。1曲は『スペイン・リベンジ』。どうも、僕が国道12号線をさまよっている間に、1回目のスペインをやった時に色々あったらしく、アンコールは、そのリベンジとのこと。演奏は、「リベンジ大成功」と思うのだけれど、渡辺さんは、1回目の失敗がよほど心残りらしく、自虐ネタにするくらい悔やんでいる。ちなみに、「いろいろあった方も、聴きたかったな」などと、意地悪なことを考えるあたり、やはり、僕は「おとな」になり切れてないらしい。やっぱり、お酒は飲まなくて正解。
次は、2月の札幌。今度は遅刻しないようにしなくちゃ。