6 posts tagged “カポウ”
タイトル : キッコリーズ ライブ
日 時 : 2007年10月27日(土) 20:00~
会 場 : カフェ アミナ ( 札幌市中央区南9条西16丁目3-17 [map] [url] )
出 演 : キッコリーズ
店に入った途端、壁にかかっている木路毛五郎[紹介url]先生の作品がかかっているのが目に入って、びっくり。あとでマスターに伺ったら、マスターのお母さんと木路先生がお知り合いだったとのこと。世の中、狭い。そういえば、どこかのホテルに入ったら、壁に渋谷俊彦先生[url]の作品が飾ってあって、びっくりしたこともあったな。
さて、今回のキッコリーズ、実は、カポウさんが大阪の「世界のこぎりフェスティバル」[url]ツアーから帰ってきたのが、当日の午後。「疲れているんじゃないかなぁ」とか「気温差で、風邪ひいたりしてないかなぁ」と心配したけれど、気分的には「ツアーの最終日」なんだそうだ。これは、とんでもないライブになるかも....と、期待感250%増し(当社比)。
さて、今日のテーマは、「月と星」。外には、きれいなお月さま...なんだけど、実は、店の中の熱気で窓が曇ってしまって、外が見えない。ま、どっちみち、窓の方向は、お月さんが見える方向じゃないけどね。
演奏は、いつものように、途中休憩をはさんで、2部構成。
新しいCDになった『花鈴灯』や『ほらね』のようなしんみりした曲から、「座って演奏なんてできない」とばかり、3人全員立ったまま演奏したり、カポウさんが会場内を練り歩いてしまうような明るい曲まで、彼らのレパートリーの広さを、たっぷり見せていただいた感じ。途中、楽器の関係で、いつもは向かって左側に座っている池田さんが真ん中の席で「なんか、いつもと違う感じだぞ。なんか、注目されてて、ちょっとテレるぞ。」という雰囲気満点で演奏していたのは、ビデオ撮りしておきたかったも。
ところで、ずっと気になっていたのだけれど、ステージの上には、キーボードとウォッシュボード....というとカッコいいけれど洗濯板だな...が置いてある。今まで、僕が観てきたキッコリーズで、キーボードというと福さんが出てくるし、ウォッシュボードやパーカッションというと、出田さんが登場するのが定番なんだけど、2人とも会場には姿がない。おかしいなぁ...と思っていたら、キーボードもウォッシュボードも、今回はカポウさんの担当。本人曰く、「弾いてる楽器は、のこぎりに、スプーンに、ウォッシュボード。唯一、ちゃんとしてるのはキーボードだけ...。ワタシは、普通の楽器は弾けんのか?」。いえいえ、カポウさんが弾くと、ノコギリもスプーンも、ウォッシュボードも、普通の楽器に見えますよ。なにより、「声」という最強の楽器、使いこなしてらっしゃるじゃないですか。
それにしても、カポウさんののこぎりの音、以前より太くて安定した音になった気がしたのだけれど、勘違いかしらん。のこぎり、新しいのにした?それとも、ずっと使っているのこぎりが、良い音出すようになった?会場の響き?それとも、今回のツアーで、なにか、新しい技を手に入れたのかしらん。以前のライブより、格段に良い音になってる...と思う。「のこぎりの良い音」というのを聴いたことがないので、僕が良いと思ってるだけなのかもしれないけど、少なくとも、ほかの楽器ときれいに混ざるようになったことは、まちがいない。ほかの会場の時に、聴き比べてみることにしようっと。
さて、アルバムに入っているし、何度もライブで聴いたはずの『ふわふわ』、アレンジが変わったせいか、僕の気分の問題か、始まった直後から、何かに似ていてる....。しばらく考えていたのだけれど、鈴木さんのバイオリンが入った瞬間に気がついた。このバイオリン、デイビット・クロスだ。ということは、クリムゾン...。あまりにかけ離れたバンドだったので、はじめは「バイオリンの音が入ってるから、勘違いしたんだ」と思ったけれど、聴けば聴くほどクリムゾン。リズムも音も全然違うのに、やっぱり雰囲気はキング・クリムゾン。家に帰ってから、クリムゾンのアムステルダムライブを聴きなおしてみたら、やっぱり、あの雰囲気だった。不思議だなぁ。次のアルバムを作る時に、このアレンジで、もう一度録音しなおしてくれないかしら。
さて、次に行けるライブは、年末のカウントダウンかな。楽しみ、楽しみ。
タイトル : YKKK
日 時 : 2007年10月12日(金) 20:00~
会 場 : Jamusica ( 札幌市中央区北4条西28丁目1-16 ラ・ワイズビルB1[map] [URL] )
出 演 : YKKK(カポウ(vo, musical saw), 福由樹子(pf), 古舘賢治(g, vo), 釜鈴徹(bs))
久しぶりに聴く、カポウさんののこぎり。福さんと古舘さんも、夏の花茶ライブ以来だ。そこに、新たに加わったベースが、あの「へ音や」の釜鈴さん。あれれ、人間関係が、どんどんつながっていく不思議...って話は、以前、カマスズ&フクAcoustic Project のところで書いたんだっけ。
ライブ告知で、「今回は、クラッシックとか、プログレっぽい曲も」と書いてあったので、ちょっと楽しみにしていたら、なんと一曲目から、『アベ・マリア』。うん、のこぎりに似合う曲。良い感じだ。僕の偏見かもしれないけれど、クラッシックの曲をアレンジする時、かなり気を使って曲を決めないと、演奏者は真剣にやっているのに、お笑い音楽に聞こえてしまう気がする。本人が「お笑い」とか「ウケ狙い」でやってる場合は良いんだけれど、そうじゃない場合、聴いているこっちが気恥ずかしくなってしまう。僕にとってイージーリスニング、NiceやTraceの一部の曲を聴くと、「辛いなぁ」と思ってしまう所以。あ、NiceだのTraceだのと言っても、ほとんどの人は、知らないか。今回の『アベ・マリア』は、正解の方。でも、一曲目から、こんなにくつろいで良いんだろうか。
一部の途中で演奏されたもう一曲のクラッシック曲は、モーツアルトの『魔笛』の中から、有名な『夜の女王のアリア』。クライマックスで、脳天突き破りそうな高い声になる奴。これ、聴くたびに、「あ~、歌ってる人、血管切れないのか?」と心配になって、ついつい、曲に入り込めないのが、玉に瑕....って、そんなこと考えてるのは、僕だけか?
「今回は、のこぎりだから、脳卒中の心配はないな」と思ってゆったりしていたら、この曲って、音符がすごく細かいんだった。福さんのピアノが、「さ~、じやんじゃん追いあげちゃうよ」と容赦なく追っかけてくるのを、カポウさんののこぎりが必死で逃げてる感じ。時々、「まさか、カポウさん、のこぎり弾きながら、歌っちゃうんじゃないか?」と思うところも数か所。そう、カポウさんは、もともと、歌の人。
伴奏が「女王」じゃなくて、歌の方...今回は、のこぎりだけど...が「女王」だよね?何に追われてるんだ、夜の女王。ここは、逃げるところなのか、夜の女王。一言、忠告するが、そんなに力強く逃げると、相手に気づかれまくりだぞ。まさに手に汗握る追いかけっこが繰り広げられて、一曲目の「ほんわか」ムードは霧散したのだった。
あんまりドキドキしたもんだから、福さんとカポウさんの追いかけっこだけが記憶に残っていて、古舘さんのギターと釜鈴さんのベースの記憶がない...ってのは、いかがなものかと、深く反省。ごめんなさい。
ところで、キッコリーズのCDの1曲目に入っている"Heaven is My Home"は、カポウさんが歌詞を書いて、池田さんが曲をつけているのだけれど、実は、CDになっていない「カポウさんの作詞、福さんの作曲」バージョンがあることを、初めて知った。同じ歌詞に、二人が曲をつけてきたら、全然雰囲気の違う曲になっていた....といういきさつがあるらしい。今回のライブでは、普段、聞くチャンスが少ない福さん作曲バージョンが演奏された。ううむ、確かに全然違う。同じ歌詞から受けた印象の違いなのか、曲を作る時に使う楽器の違いなのか。聴き比べると、かなり面白い。福さんのは、このまま合唱曲にできそうな感じ。古舘さんの作曲バージョンとか、釜鈴さんの作曲バージョンとか、いろいろ揃えてCDにすると面白そうだなぁ。
今回のライブで、僕がちょっとだけ失敗したのは、座る位置。演奏が始まってすぐに気付いたのだけれど、座った場所は、「ピアノの音が直撃してくるのに、スピーカーからの音が、弱めに聞こえる」場所。ボーカルは音の質が違うし、のこぎりは音質も音の高さも違うので聞こえてくるのだけれど、古舘さんのギターと釜鈴さんのベースはかなり控えめ。スピーカーからの音の通り道からギリギリで外れているらしく、頭をちょっと動かすと、隠れていた音が聞こえ始めるのだけれど、その状態で聞こうとすると、かなりツラい体勢、かつ、なんか不自然。
と、いうわけで、今回は、あの釜鈴さんのメロディアスなベースラインと、古舘さんのきれいなギターの音色を堪能できなかったのが残念。次は、座る位置を考えることにしなくちゃ。
タイトル : サキタハヂメCD発売記念全国TOUR ~Starting Saw Story~
日 時 : 2007年06月2日(土) 20:30~
会 場 : Jamusica ( 札幌市中央区北4条西28丁目1-16 ラ・ワイズビルB1 )
出 演 : サキタハジメ + キッコリーズ・スペシャル(池田靖司(g),出田寿一(per), カポウ(vo, musical saw),鈴木裕(violin), 福由樹子(pf), 古舘賢治(g, vo))
カポウさんののこぎりと出会ったのが、去年の夏。それからすでに10ヶ月。ついに、カポウさんの師匠であるサキタハジメさんの演奏を聴けることとあいなった。カポウさんののこぎりは素敵だけれど、師匠は、なんと17年もの戦歴をお持ちとのことで、そりゃあ、期待は膨らむわけだ。
お約束のようにドジを踏んだ後で、会場のJamusicaへ。30分前に入ったのに、なんとほぼ満席。とても、「あの~、ひとりなんですけど、ごめんなさいね。」といいながらテーブル席に着くのは申し訳なくて、カウンターへ。カウンター席、初めてです。はい。でも、しっかり、ステージど真ん中が見える席を確保するあたり、やるな、オレ。
などと、あほなことを考えている間にも...、次々、お客さんが来るよ。すげぇなぁ。昨年末のカポウナイトみたいな状態。ついには、テレビ局(HBCの『Hana*テレビ』の取材だったらしい)までやってきて、立錐の余地くらいしかない状態に。さて、演奏者は、どうやってステージにたどり着くのかな...と期待していたら、大して苦労もせずに登壇しちゃったので、ちょっと拍子抜け。
さて第一部は、「キッコリーズ・スペシャル」。この名前は、世をはばかる仮の名前で、本名は「デリシャス・毒キノコ団」。「本名の方がイカすじゃん」と思ってたら、「さすがに、食べ物屋で毒キノコはまずいよ」という気配りらしい。色々、気をつかなくちゃならなくて、大変だね。ちなみに、このバンドは、7月16日に屋外ライブを敢行する予定。晴れると良いなぁ。
キッコリーズに、パーカッションとピアノ、それにギターがさらに1本加わって、いつもは3人しかいないステージは、2倍の人数で大賑わい。音も、2倍以上の密度。でも、気心知れたメンバーだから、適度な緊張感と、ほかのメンバーに対する期待感と安心感で、ほんわかした雰囲気。
今まで気づいていなかっのだけれど、鈴木さんのバイオリンの音が、カポウさんののこぎりの音に、きれいに溶け合っていることを発見。僕の悪い耳だと、時々、どちらの音が、どちらのパートを弾いているか、わからなくなることもあるくらい。どっちも、弓で弾いてるから?あんまり関係ないだろうな、これは。気のせいかなぁ。耳が悪すぎるからかなぁ。まさか、お互い、相手の楽器に合わせて、少しづつ、弾き方、変えてる?
小一時間のライブ。背後をきっちり固めているメンバーに支えられて、カポウさんは、いつものように、気持ちよさそうに歌を歌い、のこぎりを演奏。黒幕は、池田さん、実行部隊リーダーは、古舘さん....って感じかな。
休憩後、ついに「カポウさんのいないキッコリーズ・スペシャル」をバックに、サキタハジメさん登場。うわ、師匠、すごいっす。速弾きもすごいけど、高音部分が太い音してるっす。いままで、弦楽器でも管楽器でも「高い音は、細い」っていうイメージあったのに、素人の知らない世界、いっぱいあったっす。
さらには、「のこぎりの音」というと、ぼんやりした音だと思い込んでいたけれど、彼の演奏がつむぎだす音色の引き出しの多さにびっくり。素材が金属なんだから、「音楽に使えるかどうか」は別としても、奏法によって、「もっと金属っぽい音」とか色々な音が出るのは当然だよな。でも、見ていると、音が劇的に変化しても、奏法は、それほど違うようには思えない。このあたりは、企業秘密かしらん。
クラッシック、ポピュラー、自作曲を混ぜながら....あ、そうそう、大阪人らしく、一人でボケとツッコミのMCも入りながらのステージ。当たらし目の曲は、日本の曲でも海外の曲でも、マッチする。アレンジの問題だったのか、選曲の問題だったのか、プッチーニの『だれも寝てはならぬ』は、微妙な感じ。どうしても「面白音楽」に聞こえてしまう。後半に演奏した北原白秋作詞の「かんぴょう」のように、演奏者が「面白音楽」のつもりで演奏してるなら、それで良いんだけど、この曲のようにマジメに演奏してるっぽい曲が、「面白音楽」に聞こえてしまうのは、ちょっともったいない。バッハの無伴奏チェロとかだったら、違和感ないかもぁ...などと、無責任に考えたりしたのだった。
最後は、カポウさんも加わって、歌付ののこぎり二重奏。前にフェイターンさんのテルミンと演ったときに、二人とも「どっちのおとか、わからなくなっちゃった」って言ってらしたけれど、今回は、大丈夫そう。「修行の成果?」と思ったら、「前回の失敗を教訓に、モニター使いましたから」とのこと。「でも、時々、わからなくなった」らしい。わはは。
キッコリーズの時は、自分の世界に浸っているカポウさんも、今回は師匠の音を気にしながらの演奏。どう見ても「姉、成長した弟を見守るの図」。ステージ後に、カポウさんに伝えたら、「同じ歳なのにぃ....」。あらら、褒めたつもりだったのにな。
タイトル : 日倉士歳朗/池庄/拳法
日 時 : 2007年05月24日(木) 20:30~
会 場 : フライアーパーク
( 札幌市豊平区平岸4条7丁目12-10 Y's CITY BLD 1F / http://www.st-seki.com/fp/index.html [ map ])
出 演 : 日倉士歳朗(g, vo)/ 拳法( 古舘賢治(g), カポウ(vo, music saw) )/ 池庄( 庄司聡史(g), 池田靖司(g) )
実は、結構疲れていて、当日朝まで、行こうかどうか迷っていたのだが、まぁ、このメンツ、ハズレはないだろうと信じて、お出かけ。
まずは、お約束の失敗。初めてのフライヤーパーク、見つけられなくて、30分ほど、ご町内をうろうろ。かなり不振な奴に見えたと思う。
で、最初に登場したのは、拳法。なんでも、「結成一執念」(誤字じゃないよ)なんだそうで、「いままでにやってきた曲を」とCDに入っている曲を数曲。いつもながら、耳にも、心にも、たぶん、身体にも優しい音。とても素敵な時間のはずなのだけれど、疲労がたまっている状態では、かなり.....つら........い.......。目をつぶって聞いていると、ついつい、あっちの世界に引きづられて行きそう。むむぅ、聞きたい....、でも、この波に乗せられて、熟睡してみたい.....。2人がつむぎだす柔らかい音とは裏腹に、僕の中では壮絶な戦いが...。危ない、危ない。
続いて、池庄。復活3回目....くらいのライブ。前回、聞いたときに、「やっぱ、凄腕」と感心したのだけれど、実は、あの状態にして、まだ本調子ではなかったというとんでもないことが判明。「演奏技術が上がった」とかいう話ではなくて、息の合い方とか、そういうレベルの問題。今回は、特に庄司さんがリラックスしてて、今、思えば、前回は池田さんが押し気味だったらしく、今回は、押された庄司さんが押し返す...という互角の勝負に。前回は、あれでも緊張してたんだなぁ。MCで「いやぁ、緊張しますね」とか言ってるので、このあと、さらにすごいことになるのかもしれない。楽しみだなぁ。
で、メインアクトの日暮士歳朗さん。狭いステージ上に、ギターにスチールに...と並ぶ、並ぶ...。「ま...まさか、一度に複数の楽器を弾くという曲芸に走ったのか」と思ってドキドキしたけれど、そんなギャグ狙いをするわけもなく、その太くて渋い声のブルースとゴスペルが、店内に響き渡った1時間強。
それにしても、主軸がぶれない安心感があって(ちょっと前に感じた「曲芸」疑惑は、びっくりしたけど)、でも、ぶれない主軸の周囲に広いストライクゾーンがあってという、ひとつのことを、長く、かつ真剣に続けてきた人たちが持つ独特の雰囲気が心地良い。演奏してるときの表情も、良かったなぁ。拳法、池庄、キッコリーズの人たちも、彼の年齢になったら、こんな雰囲気になるかなぁ。
途中、キッコリーズとモジョでバイオリンを弾いている鈴木裕さんが加わったり、ブルースハープの若者(ごめん、名前を失念)が参加したりで、大盛り上がりなライブ。(うわさでは、このあと、この日、ステージに上がったひとたち全員が、酒を飲みながら、朝まで演奏を続けるという企画もあったらしい。実現したかどうかは、不明....だけど、きっと、やったんだろうなぁ。)
元気、もらいました。エネルギーも受け取りました。ありがとう。
さて、この日の最大の失敗。疲れてぼんやりしていたので、日倉士さんのCDを買ってサインしてもらうのを忘れて店を出てしまったこと。ああ、なにやってんだ、オレ...。
タイトル : 年忘れだョ!カポウのあと2日寝Night!
日 時 : 2006年12月30日(金) 20:00~
会 場 : JAMUSICA( http://www.jamusica.jp/index.html )
今年は、色々な人に出会った。というか、「今年も、色々な人に出会った」んだけど、いつもの年とちがうのは、パワフルに物を作り続けている人たちが、圧倒的に多かったということ。
始めのうちは、「おお、こんなこと、考えてるのか」「こんな風な、見方もあるのか」とか大喜びしていたのだけれど、後半戦は、彼らの毒気....いや、すざまじいパワーに圧倒されて、インプットの激流に巻き込まれた挙句、自分自身のアウトプットが全然できなくなってしまっていた。毎日のルーチンワークは、ほぼ問題なくできるのが不幸中の幸いなんだけど、自分が何を出力して良いのかもわからないし、どうしたらいいのかもわからない。スコット・フィッツジェラルドの「魂の真の闇夜にあっては、来る日も来る日も、時刻はいつも午前三時なのだ。この時刻には人は、ものごとを直視することを可能な限り拒否し、子どもじみた夢の中に引きこもってしまおうとするものだ。」(スコット・フィッツジェラルド/村上春樹訳『ひびの入った皿』)というほどひどくは無かったものの、かなり近い状態。やばい、やばい。
そんな日々が数ヶ月続いた年末のこの日、今年最後の「のこぎり」を聞きに出かけてみた。
のこぎり弾きのカポウさん( http://www.cafeblo.com/kapo-schedule/ )は、今年、出会った人のひとり。「あと2日寝Night」というタイトルも、オヤジギャグっぽいし、ポスター( http://air.ap.teacup.com/kenpo/img/1165372492.jpg )も.....むむむ、ちょっとはずかしいぞ、パンダのきぐるみ。
今回のライブは、キッコリーズ( http://sound.jp/kiccories/ )、バミューダトライアングル、拳法( http://air.ap.teacup.com/kenpo/ )とりその周辺の演奏者たちが、総力を上げて、カポウさんをサポートするライブ。ギターのいけださんなんて、「カポウの手となり足となり踏み絵となり、今年最後のライブで砕け散る覚悟」(会場で配布された冊子)とまで、決意表明しちゃうくらいだし、ビアノの秋元さんは「これを最後に、ライブは、しばらくお休み」とのことなので、かなり力入ってます。
メンバーは、カポウさんの歌とのこぎり、有本さんのピアノ( http://tosh211.blog72.fc2.com )、池田さん( http://www.h4.dion.ne.jp/~ike-show )と古舘さん( http://kendikuun.seesaa.net )のギターとベース、出田さん( http://homepage3.nifty.com/idepage/ )のパーカッション、そして、鈴木さん( http://www7.plala.or.jp/mojohouse/ )のバイオリンとギターという構成。
キッコリーズみたいに3人しか演奏者が居ない状態でも狭いステージ(といっても、「客用のテーブルがない部分」ってことだけど)が、狭い、狭い。椅子とマイクスタンド、楽器とエフェクターで、足の踏み場無し。「どこで演奏するんだよ」と思っていたら、メンバー、どやどやと登場。うわ~、キツそう。最後に登場したカポウさん、マイクスタンドのアームの下を、ほぼリンボーダンス状態で通過.....するかと思ったくらい。
今回のライブは、年末特別企画なので、スペシャル3部構成。一部と三部で、普通のライブ。二部が、お楽しみ大会。あ、そうそう、それに、やさしい雰囲気満点の、プログラム付き。これがまた、手書きの部分があったり、スタンプ押されてたりで良いんだなぁ。
楽しそうにギターを弾く池田さん(彼には、「怒る」ということがあるのかしらん。)と、マジメな顔をしているはずなのに、なぜか表情の下に笑い顔が隠れていそうな古舘さん(何を考えて弾いているのか、聞いてみたい気がするんだけど....。)のふたりは、いつもどおり、息の会った演奏。交代でベースに持ち替えている。ふたりがベースを弾いているのを見るのは始めて。古舘さんは、「慣れてないから難しいけど、やってみると楽しい」と話していたけれど、全然難しそうに弾いてないところが、「一芸に秀でた者は」ってところだな。
ひげの鈴木さんも、いつもどおり、自分の世界に浸った状態でギターとバイオリンを奏でている....ように見えているけれど、時々、垣間見せる鋭い視線は、メンバー全員の動きをフォローしてるのかしらん。もしかして、影のリーダーか?
初めて聞く有本さんのピアノ。演奏が始まるまでは、ちょっと緊張してたのか、「むむ、ちょっと神経質なのかしら。他のメンバーがやわらかい表情してるのと対照的だなぁ。表情と同じに音も硬かったら、ピアノだけ浮いちゃうよなぁ」と思っていたのだけれど、最初の一音を出した瞬間に表情が一転して、やわらかくなった。音も、表情どおりの柔らかさで、他のメンバーの音としっくり来る。「類は友を呼ぶ」のか?なんか、この使い方、違う気がするけど、まぁいいや。
パーカッションの出田さんを聴くのも、初めて。音を出すためには、基本的に「叩く」という方法しかないパーカッションなのに、どうして演奏者によって(もしかすると、演奏者の気分によって)、音が全然変わってしまうのが、いつも不思議。よく見ていると、「叩く」といっても様々なやり方で、様々な部分で叩いているのがわかるんだけど。弦を使った楽器の音に、違和感無く溶け込んでいたので、最初、叩いているのに気づかなくて「ああ、この手の音の中だと、パーカッションは出番が少なくて暇してるのね」と思っていたのだけれど、休み無くぽこぽこしていた。それも、窓際の一番寒い場所のはずなのに、半そで(うでまくりだったかな)になっちゃうくらい熱演してた。打楽器が、こんなに弦に溶けるものだとは思わなんだよ。
で、主役のカポウさん。ひとり楽しそうに遊んでいた。「これだけかっちり、バック陣が固めている土俵があれば、何の不安も無く、遊び放題だよなぁ。」と勝手に納得。
今年になって聴き始めた、そして短期間で耳に馴染んだキッコリーズ、拳法、バミューダの曲が次々と演奏される。楽器が多いせいか、演奏している人たちのテンションが上がっているからか、いつもよりも音の密度が高いような気がする。
途中、どこかで聴いた、でも、カポウさんの曲ではないフレーズが流れる。川村結花のEvery Breath You Take。「そうだよね、川村結花やるなら、1枚目、2枚目か3枚目じゃなきゃ」と、最近の作品が苦手な僕は一人ごちる。それにしても、ピアノじゃない川村結花の曲ってのも、良い感じだなぁ。
第二部は、古館-麺冶-賢治氏主催の、up the wind選手権と、古舘さん+有本さんだけのMUFFLEスペシャルライブ。
up the wind選手権は、「せっかくCDに入れたカラオケ部分を有効利用しよう」と古舘さんが思いついた...らしい企画。ほとんど参加者がいないけれど、彼が気力...もしくは意地で続けている雰囲気。会場に「参加したい人」と呼びかけても.....出てこないよなぁ、あの雰囲気じゃあ。というわけで、会場からの参加者が出ないので、演奏者自ら、楽器を弾きながら歌うことに。結果は.....。スペシャルライブの話に移ろうか。いや、池田さんが古舘さんそっくりに歌ってるところとか、出田さんが歌いだすタイミングを失している間に、古舘さんが歌い始めちゃったりとか、お腹抱えて笑ったし、面白かったけど、あれは「選手権」じゃなかったしなぁ...ってこと。
一方、MUFFLEは、やさしい音色が響き渡って、全員、ちょっとしんみり。「今日で、しばらく、ライブからは距離を置く」という有本さん。もったいないなぁ。「もっと前に知ってたらなぁ」と、悔しい気持ちもするけれど、最後の一回(あ、本当は、「最後」じゃないか)とはいえ、聴くことができたことを幸運だと思って、音楽の世界に戻っていらっしゃる日を楽しみに待つことにしよう。
なにやかにや、大盛り上がりして、最後の曲は、ユニコーンの『雪の降る街』。いままで、この曲を聴いても、あまり年末感が無かったのだけれど、彼らの演奏を聴いていたら、やっと「年末だなぁ」という気分になってくる不思議。そして、ちょっと、しんみり。アンコール2曲をやって、ビールが呑みたくてウズウズしているカポウさんたちを演奏から解放。
体の周りにまとわりついていた、「見えない何か」を取り払ってくれたような、素敵な年末の一夜の夢。
ライブの次の朝、僕は、久しぶりに新しいものを作り始めた。
タイトル : 茜色音楽会~のこぎりとテルミンと秋の風
日 時 : 2006年11月03日(金) 19:00~
会 場 : JAMUSICA( http://www.jamusica.jp/index.html )
カポウさんの「のこぎり」 +
フェイターンさんの「テルミン」のライブ。
のこぎりだけでも、十分びっくりなのに、今回は、世界の珍品電子楽器「テルミン」。現実離れした楽器(「のこぎり
は、楽器か」といわれると難しいのだが....。)が、同じ空間に存在するという、話を聞いただけで、ただでは終わらない雰囲気。さらにその葉日は、「事故や暴動
が発生する確率が格段に高い」といわれる、満月2日前。これで何も起こらないようだったら、オレが暴動起こすぞ...ってくらい、役者は完璧。
会場に着いたときは、まだリハーサル中。リハーサルみれるなんて、ラッキー。店内は、あの「ふにょ~、ふぎゃ~」という音が充満。 はじめて「のこぎり」を聞いたときに、「なんかシンセサイザーみたい」と思ったけれど、やっぱり似た音を出してる。音が似すぎていて、店内に充満してる音が、のこぎりだかテルミンだか区別がつかん。
カポウさんが「もともとテルミンやりたかったけれど、高くて手が出なかった。ある日、テルミンみたいな音を聴いて、何かしら?
と思って調べたら、のこぎりだった。のこぎりなら安上がりと思って、ノコギリストに」とおっしゃってたけれど、そのときの状態、とってもよくわかる。
カポウさんは、今回の「拳法( http://air.ap.teacup.com/kenpo/ )」では、ずーっとのこぎりを弾き続けていた。いつもながら幸せそうに歌い、のこぎりを弾くカポウさん。今までに聴いた彼
女が参加しているグループが演奏を始めると、時間の流れが変わる気がする。決して遅いテンポの曲ばかりではないのに、外とは違う時間が流れ始めるのは、彼
女の個性だろうなぁ。
今回から、麺好きが高じて「めんぢ」と改名したらしい(サインしてもらったCDにも「めんぢ」と書いてあった。)古舘さんのギター。一音一音
がくっきり聞こえる乾き気味の音が、カポウさんののこぎりの音と対照的で良いバランス。音ひとつひとつを、丁寧につむぎだす演奏は、バミューダトライアングルで初めて聴
いたときと同じ。几帳面な性格なんだろうなぁと、勝手に想像。違ったらごめんなさい。
ゲスト参加の酒井さんはピアノ。古舘さんのギターときれいに絡む。バミューダの時、ギター2本+のこぎりで聴いた曲も、ピアノ+ギター+のこぎりで聴くと、雰囲気が違って面白い。「アレンジの妙」っていわれる奴なんだろうなぁ。
『時計台の鐘』をのこぎりで。小学生時代、散々、歌ったり聞いたりしてた曲なので、かなり懐かしい。歌詞は、ところどころ、忘れちゃってるけど。
さて、第二部。アコースティックな拳法(「ノコギリ」と「アコースティック・ギターのデュオ)と対極の位置にいる「電子楽器バリバリ」なmacofei(「テルミン」+「カーツウェル」のデュオ。 http://blog.konton-records.com/?cid=20421 )。2つのグループ共通点は、男女1人づつであることと、グループの命名規則だけ。拳法が「けんじ + カポウ」、マコフェイが「まこと + フェイターン」。うわぁ、安直なネーミング。 そそられるなぁ。
拳法の演奏中、座っている席から身を乗り出したら手が届くくらいの場所にテルミンがあって、「ぐふふ、この位置なら、演奏中にいたずらできる
ぜ。テルミンでテロ、テロミンだぜ」(テルミンは、非接触で音程や音量を制御するので、演奏中に他の誘電体が近づくと、音程や音量が変わってしまう。客席
からの「テルミンは、ハンドパワーで音が変わる?の」という質問に、フェイターンさんが否定も肯定もしなかったので、ちょっとだけ信じてテーブルの下から
ハンドパワーを送ってみたけれど、全然届かなかった。)と、ほくそえみながらオヤジギャグを考えていたら、不穏な空気を感じたのか、本番前に場所を移動さ
れてしまった。残念。
入れ替え時間に、楽器をセットしながら時々しゃがみこむフェイターンさん。あれ、なんか....瞑想か妄想かなんかしてます?配布されたパン
フレットを見たら、「演奏中は宇宙人が乗り移る」と書いてある。いまの瞑想って、宇宙人を憑ける儀式?期待度、ちょーアップ。なんか、コバイア星からやっ
てきたマグマ(フランス人を装ったコバイア星人のバンド)みたいな感じなのか?僕の中の、プログレ虫が動き始めたのがわかる。
「テルミンの電波で、月のダークサイドと交信している」とか書いてあるけど....こらこら、テルミンは、電波を出さないだろう...と思ったところで、気がついた。大阪人だ。以前、Com-2( http://nt-committee2.jp/ )の大阪勉強会のときに、大阪人から「大阪人は、普通の顔でウソをつく。信じちゃいかん」と教えてもらったことを思い出す。
# あとで、フェイターンさんは、「札幌市白石区」生まれであることが判明。どうみても、大阪人に見えるのに...。
キーボードの....いや、カーツウェル(わざわざ、あのデカいのを大阪から運んできた。で、キーボードが乗るかどうかを考えずにレンタカー借
りるってのは、まさに、男...いや、漢だ。)奏者の白川さんは、今回、新しく発売したCDに参加したミュージシャン全員を、ドラえもんから借りたスモールライトでコンパク
トにして、DELLと書かれた不思議な箱に封印して持参。なかなかバンマスの言うことを聞かないわがままなメンバーや、自分の演奏に没頭していて、目配せ
してもシカトするメンバーに四苦八苦しながらも、ステージ全体に目を光らせる。曰く、「電子の申し子とか言っておきながら、完全に、負けっぱなし」。いや
いや、そんなこと、無いっす。箱の中のメンバーが「わが道を行きすぎる」だけ。
で、演奏が始まってみたら、やっぱし、どこか懐かしい音。深みにはまると抜け出せなくなる、あの世界。なんとか「普通の世界の音楽」が聴けるよ うになりたくて、十年以上前に、必死で這い出してきた世界の音が流れていた。最近、こういうジャンル分けするのかどうか知らないけれど、僕の言葉でいうと 「プログレ」。それも、フレンチ・プログレの音。こりゃあ、月と交信しちゃうわ。ああ、せっかく、長い間封印してメジャーどころしか聴かないようにガマン していたのに....。最初の音が出た瞬間、プログレを封印していたバリケードが、音を立てて崩れるのがわかったよ。もーダメだ、わし。あっちの世界に逆 戻り。
ところで、テルミンの演奏を目の前で見るのは始めての僕。古くは、Led Zeppelinのフィルムに出ていたり、Dr.Moogのドキュメンタリー( http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0009VRHTC/
)で見たり、日本人の演奏家の方の映像を見たりしていたけれど、みんな、ほぼ直立不動でてを震わせている。テルミンって、ああいう格好で演奏するものだと
思っていたら、フェイターンさんのは、ぜんぜん違う。ルミンの前で踊りながら...それも、どこかバリの踊りのような感じの踊り....音を出す。ふつ
う、そんなことしてテルミンを弾くと、ノイズしか出ないような気もするけれど、月の裏側から遠隔操作されているらしく、ちゃんと曲になってるよ...。ど
ういう練習すれば、こんなことできるんだ?
ちなみに、普通、映像に出てくる「直立不動の演奏者」とは、「流派が違う」らしい。今回、お客さんに「道内唯一のテルミニスト」な方がいらっしゃったけど、彼女は正統派。焦ったかもなぁ、このスタイル。
フェイターンさんによると「こんなの、全然、おとなしい。大阪のテルミニスト(大阪は、「道を歩けば、テルミニストにあたる」くらい多くて、
「みんな、道を歩きながら手を震わせている」らしい。さすが、大阪。)の中には、「ちょっと、ちょっと、アンテナ、ぬいてどうするの」って言いたくなるよ
うな演奏スタイルの方もいるらしい。どんな音出してるんだ?コワイモノミタサで、ちょっと聴いてみたいかも。
月と交信できる人は、やることがすごい。おかげで「マジメな前衛音楽のための楽器」と思っていたテルミンが、「好きなスタイルで演
奏して良い楽器」と定義しなおせたのはうれしい。こういう演奏を見ると、Dr.Moogが「シンセサイザーに鍵盤をつけたのは、まちがいだった」と言って
いた意味がわかった気がする。テルミンみたいに、既存の楽器とは、まったく違う演奏スタイルがとれれば、今のように普及はしていなかったかもしれないけれ
ど、「正統派」な人たちのようなスタイルだけではなくて、フェイターンさんたちがやっているような演奏もできて、そのスタイルや音の好き嫌いは別として
も、表現の幅を広げることができるわけだから。いまひとつ、ポリフォニックなシンセサイザーに違和感を抱いていたDr.Moogが目指していた究極のシン
セサイザーは、「もっと色々な音が出せるテルミン」だったのかもなぁ。
最後に、拳法 +
マコフェイで2曲。ノコギリとテルミン、本当に音が似ている。演奏者自体、「同じメロディを弾こうとしたけど、どの音が自分の音かわからなくなった」って
いうくらい、似ている。ひちりきとかタブラとか、ナマ音なのに、電子楽器みたいな音出す個性的な楽器、探してみると、結構あるかも。
雲が出ていたためか、時々、月との通信が切れたり、月の人たちはテルミンを操作しているつもりで、箱の中の小さな小さなミュージシャンを操作
しちゃうトラブルもあったけれど、とても濃い時間が過ぎて....ほんの一時間くらいだったけれど、異次元体験終了。ふぅ....。満足。
これ、フルバンドで、音をサラウンドにして、照明つけてライブしたら、帰って来れないな。
帰りに拳法のシングルと、マコフェイのアルバムをゲット。拳法の方は、お二人のサインが入り、マコフェイは、「今なら10曲入りのマコフェイのCD( Tide Trip
)だけだと\2,000、これに、人力テクノバンドのチンタムーのDVD\500円をセットにして、特価\2,500」という売り込みに負けて、セットで購入。# ぜんぜん、「特価」じゃねー。
さっき検索してみたら、「チンタムー」は、「銀河の多国籍デジコスバンド」って書いてあった。なんじゃ、これ~。家にはDVDが無いので、明日、職場で観る事にしよう。なんか、おっかねー。