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タイトル : ヘ音や
日 時 : 2008年05月17日(土) 20:00~
会 場 : Radio & Records ( 札幌市西区琴似1条4丁目2-15 ニシムラビル3F[map
] [URL
] )
出 演 : ヘ音や(河合修吾(tb), 渡辺文(チェロ), 釜鈴徹(5弦bs))
タイトル : ヘ音や
日 時 : 2008年02月16日(土) 20:00~
会 場 : Radio & Records ( 札幌市西区琴似1条4丁目2-15 ニシムラビル3F[map
] [URL
] )
出 演 : ヘ音や(河合修吾(tb), 渡辺文(チェロ), 釜鈴徹(5弦bs))
2007年8月以来、半年ぶりの「へ音や@Radio & Records」。
1回目のライブを、素敵に、そして華麗にやりのけた後、ライブのたびに事件が起こるという噂の「へ音や」。2回目のライブ[report]は、メンバーの入院で、「へ音や風」になってしまったし、今年1月の砂川ライブ[report]は、メンバーの一人が、ライブ直前まで一寸したトラブル状態。さらに、帰りには、車を埋めてしまうトラブルまであったらしい。このときは、メンバーだけではなくて、観客であるはずの僕も、砂川を通り越して深川まで行ってしまうという大失敗をしでかした。
というわけで、「今回は、どんなトラブルが」と、ドキドキワクワクしていたら、単なる「悪天候」だけで、超安堵。ええ、ちょっと吹雪いて、店の窓から向かいの建物が見えなくなる時があっただけさ。大したことない、これくらい。そう言いながらも、「もしかして、お客さん、これなかったりして」と心配していたけれど、ライブ15分くらい前からどんどんお客さんが入ってきて、あっという間に満席。すごいぞ、へ音や。実質2回、それも、札幌では1回しかライブしていないのに、もう、こんなに人気爆発。次のライブからは、予約入れておかないと、座れないことになりそう。
オープニングは、ビートルズの"Fool on the hill"。
直前のアクシデントと、リハーサル時間が足りない中で音をまとめなくてはならなかったためか、意識的に他のメンバーとの息を合わせたり、ほかのメンバーを気遣ったりで、自分の演奏にに没頭できないように見えた「へ音や風」ライブのナーバスな音とはちがって、今回は、いきなり「真剣勝負」の様相。静かに優しい演奏なのに、置く深いところに流れている緊張感。良い意味で、3人が遠慮することなく「自分のへ音や」のための音を出しているにもかかわらず、3人の音がきっちり組み合わさって「3人のへ音や」の音になっている。
アレンジの効果か、メンバーの思い入れの強さか、はたまた、たまたま彼らの音にフィットしているのか、"Fool on the hill"が、彼らのオリジナルに聞こえるところが面白い。本家「へ音や」で、この曲を聴くのは2回目(深川のときは、遅刻したので演ったかどうかわからない。たぶん、演奏したと思うんだけど。)なんだけど、すでに「彼らの曲」だ。
この曲以外にも、"Calling you"と"Alfie"も、もはや彼らの曲と言っていいかもしれない。特に、"Alfie"は、釜鈴さんがぞっこんで、ヘ音やで演ることが決まった時に、ほかの2人に演奏者やアレンジの違う演奏を数十種類送りつけたというエピソードがあるくらいだ。それだけなら「メンバーのこだわりの曲」で終わるところだが、ほかの2人も只者ではないので、その数十種類の"Alfie"を何日も聴き続けたというから、彼らがこの曲にかける情熱は、半端ではない。
前半の演奏は、『アランフェス』と『スペイン』という、スペインつながりの、しかし、対照的なイメージの2曲で終了。
『スペイン』は、オリジナルを聴いていてもドキドキするくらい難しそうな曲なのだけれど、これを目の前でへ音やアレンジで聴くと、もっとドキドキする。1月の砂川では「1回目は、失敗した」らしいのだけれど、今回は、難なくクリア。「わざわざ、こんな曲を選ぶなんて、もしかして、3人ともM属性?」などと、わけのわからないことを妄想していたのだが、実は、これは序の口。
今回のクライマックスは、後半2曲目のバッハだった。
『音楽の捧げもの』の1曲目の『3声のリチェル力ーレ』。砂川ライブで始まったバッハシリーズ。普通は、鍵盤楽器で演奏する曲だよね?いや、バッハの曲は、作曲者が意図していない楽器で演奏されたり、楽器の指定がなかったりするから、トロンボーン、チェロ、ベースで演奏して行けない理由はないのだけれど、鍵盤でさえ面倒そうなフレーズが、この3つの楽器で弾けるものなんだろうか。それも、バイオリンやギターのように指や腕の移動距離が短い楽器ならいざ知らず、何を好き好んで、あんな腕も指も動かさなくちゃならない楽器で...。曲の後のMCで「楽譜通りに演奏しました」って。信じられん。3人とも、かなりM属性に侵されてるんじゃないか。
演奏している3人には申し訳ないけれど、スリルは満点。3人全員が奏でる音が織りなす、音のタペストリー。繊細な感じと透明感は、ガラス細工と言ったほうがいいかもしれない。巨大なグラス・タワーを積んでいく作業を見守っているような緊張感。どこかで失敗すれば、それまでの努力は水泡に帰すのがわかっているだけに、自分が演奏しているわけでもないのに、息が詰まるような気持ち。曲が終わったとき、なんとなく息苦しいと思ったら、「息が詰まる気持ち」どころか、実際に呼吸が浅くなってたらしい。
これぞ、へ音やの醍醐味だなぁ...と、勝手に納得。「すごいなぁ」と感心していたら、本人たちの自己評価は「もっとがんばりましょう」だったらしい。うーむ、音の道は厳しい。
アンコールは、"Isn't she lovely"。「へ音や風」の時に助っ人参加した広瀬いずみさんがピアノで参加。ベースが入ることでピアノに対抗できる勢力圏が構成されたのか、和音が入っても違和感がない曲だったのか、広瀬さんが「和音の誘惑」に抗したからか、「へ音や風」の時のように「偉大なるピアノの存在」という感じはないけれど、やっぱり「へ音や風」に聞こえるんだな、これが。できあがっている音に、新しい音を違和感なく加えるのは、さすが、プロといえども難しいらしい。演奏後、「ピアノが和音を使ったので、あとでお仕置き」と釜鈴さんのコメントが笑いを誘っていたけれど、「ピアノに和音弾くな」って言うのが無理なんじゃないか...と。次回は、モノフォニックのシンセサイザーで参加していただいたら?
もっと聴いていたかったけれど、続きは次回のお楽しみ。次回は、2008年5月17日(土)の予定とのこと。今から、楽しみ。実は、すでに、あの息詰まるような「バッハ」を聴きたかったりするのだった。
曲目リスト
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- Fool on the hill ( The Beatles )
- Bluesette ( Toots Thielemans )
- Calling you ( Jevetta Steele )
- Alfie ( Burt Bacharach )
- Concierto de Aranjuez ( Joaquín Rodrigo Vidre )
- Spain ( Chick Corea )
--- 休憩 --- - 曲目不明
- 3声のリチェル力ーレ~音楽のささげもの ( J.S.Bach )
- How Insensitive ( Antonio Carlos Jobim )
- The April Fools( Burt Bacharach )
--- アンコール --- - Isn't she lovely ( Stevie Wonder ) with 広瀬いずみ(pf)
タイトル : へ音や ライブ
日 時 : 2008年1月20日(日) 19:00~
会 場 : はーもにー ( 砂川市砂川東6条北11丁目4 [map
] )
出 演 : へ音や
ベースの釜鈴さんが緊急入院してしまったために、ついに聴くことができなかった、去年11月のライブ([url])から、約ふた月。ついに釜鈴さんが復帰した本物の「へ音屋」を聴くことができる日が...と意気込んで砂川へ。「冬だから」と時間にたっぷり余裕を持って出かけたのだが、意気込みすぎて、気がついたら深川にいる僕。時刻はすでに19時10分前。「砂川、滝川、深川なんて、川の付く地名が続くのがよろしくない」と怒ってみたものの、時間が戻るわけもなく、半べ状態で、はーもにーにたどり着いたのは、ほとんど20時。(実は、さらに、お店の近所で迷って時間を喰った。)
終わっちゃったかなぁ...と思いながら、店をのぞきこんでみたら、もう少し演る気配。うれしかったなぁ。
席についてすぐに始まったバッハ。
気持のいい音を紡ぎ出す釜鈴さんのベースが聞こえるというだけで、十分嬉しい。河合さんもあやさんも、前回の「へ音や風」の時よりも、リラックスして楽しんでいる感じがする。前回の「へ音や風」も悪くはなかったのだけれど、突然のことに動揺してただろうし、準備期間が短かったこともあってか、3人とも自分の居場所を求めてさまよっている様な音だった。あの時は、あの騒ぎの直後というのに、ちゃんとした演奏になっているところがプロだなぁと感心したりしてたわけだけれど、やっぱり「良い状態」とは言えなかったんだなぁと、今更ながら思う。
ラテンの曲に移っても、3人の音の安定感は変わらない。3人とも、「いつ他の2人に寄りかかっても大丈夫」と信じているかのように、危ない所を平気な顔で渡っていく。こういうのは、トリオのおいしいところ。2人だと支援隊が不足だし、4人以上だとハラハラドキドキ感が減ってしまう。信頼していた他の二人がコケると大惨事になるというのに、そんなこと、まったく想像もさせないところが素敵。
さらに、今回は、釜鈴さんの新兵器も登場。その名もディストーション(だと思う。)。その昔、キング・クリムゾンが歪ませたベースにフェイズシフターかけて、左右に飛ばしていたりしたけれど、まさにあんな感じの音。もしかして、この3人の演奏で『21世紀の精神異常者』とか聴ける日が来るのか? "Easy money"でも良いけど。...と考えていたら、意外とイケそうな気がしてきた。演るのは彼らなので、彼らにとっては、こんな「聴き手の勝手な想像と期待」は迷惑だと思うけれど。アレンジも演奏も大変そうだな。この新兵器、使い方をまちがえると「音は厚くなったけど、どことなく安っぽいね」ということになりかねないので、「ご利用の際は、慎重に」ということになりそう。
すでに、彼らの曲になりつつあるCalling you。前回のライブのときは、まさに『Calling 釜鈴』と曲名を変えた方がいいような「帰っておいでよ」になっていたけれど、今回は、感情移入抑え気味バージョン。前のも「泣きのcalling you」で悪くないんだけれど、いつもあれでやられると、キツいかなぁ。特に、落ち込んでる時に聞かされると、立ち直れなくなるかもしれない。それに比べて、今回は窓の外の雪景色を見ながら聴いていると、いい感じにしんみりする。「感情移入すれば良いというものではない」といういい例かな?きっと、こういう状況でウイスキーでも飲むと、「おとな」な気分満点なのだろうけど、残念なことに、僕の足は今回も車。
2回のアンコール。1曲は『スペイン・リベンジ』。どうも、僕が国道12号線をさまよっている間に、1回目のスペインをやった時に色々あったらしく、アンコールは、そのリベンジとのこと。演奏は、「リベンジ大成功」と思うのだけれど、渡辺さんは、1回目の失敗がよほど心残りらしく、自虐ネタにするくらい悔やんでいる。ちなみに、「いろいろあった方も、聴きたかったな」などと、意地悪なことを考えるあたり、やはり、僕は「おとな」になり切れてないらしい。やっぱり、お酒は飲まなくて正解。
次は、2月の札幌。今度は遅刻しないようにしなくちゃ。
タイトル : ヘ音や風
日 時 : 2007年11月17日(土) 20:00~
会 場 : Radio & Records ( 札幌市西区琴似1条4丁目2-15 ニシムラビル3F[map] [URL] )
出 演 : ヘ音や(河合修吾(tb), 渡辺文(チェロ), 広瀬いずみ(pf))
へ音やのデビューライブを聴いて、はや3ヶ月。待ちに待ったへ音やのライブだぁ!と楽しみにしていたら、こんな([url][url])お知らせが...。ベースの釜鈴さんが緊急入院....。
ということで、今回は、ゲストにピアノの広瀬いずみさんが加わった「へ音や、みたいなぁ」というスペシャルグループに。ちなみに、いつもは、渡辺さんが男二人を従えて...というトリオなのに、今回は、河合さんが「女性2人をはべらせて」なグループに。でも、自称「シャイな男」である河合さんは、チャンスを生かすこともなく、いつもの定位置(向って右側)にセット。せっかくなんだから、真ん中に座って「両手に花」状態になればよかったのに。
さて、演奏。
やっぱり、いつものメンバーが揃っていないと、ずいぶん違和感がある。「いつものメンバー」と言っても、僕は、一回しか体験していないのだけれど、演奏を聴きながら「これは、『へ音や』ではなくて、『へ音やっぽい音』だなぁ」と思ってしまうのは、初回のインパクトが強かったからなんだろうな。初めてのライブで「これが、自分たちの音です」っていうのを聞かせてしまった3人って、すごいのかも。
ただ、その印象の強さが、今回のライブでは、裏目に出た感じ。リハーサル期間が短くて大変だったり、精神的に動揺したりというのがあったはずなのに、演奏そのものには問題があるとは思えない。けれど、頭の中では「へ音や」の音が回っているために、何を聞いても「なんか、違う」と思ってしまうのだ。メンバーが1/3違うんだから、音が違って当然なのに。こうなると、個性が強いのも考えものだ。むむぅ、悩ましい。
ピアノと言う「和音が弾ける楽器」が入ってしまったために、前回のライブの売りだった「単旋律楽器3台が奏でるメロディが作り出す微妙なバランス」が、消えてしまったのが痛い。「ピアノの演奏者に問題がある」という話ではない。楽器そのものの特性の問題だから、演奏者としては、どうしようもないのだと思う。
なにしろ、ピアノがバーンと音を鳴らすと、単音楽器が一生懸命紡いだ音が、一瞬にして吹き飛んでしまう。「良くも悪くも、ピアノって、すごいなぁ」と思った瞬間だ。さすが、「楽器の王様」って言われるだけある。そして、「王様」の存在は、どうしても王様中心の世界を構成せざるを得ず、あの「3人の綱引きによる、バランス感覚」は、失われてしまう。。
さらに、和音が作り出す圧倒的な音の厚みも、あのへ音やの音にはなかったものだ。バロック時代に、あんなに流行っていた対位法が、和声に駆逐されてしまった(...ってのは、かなり言いすぎだけど)理由がわかる気がする。対位法みたいに難しいこと考えなくても、「この音の並びには、この和音」ってハメ込んでいけば、あっと言う間に分厚いサウンドができ上がる....ように、素人には思えるけど、これは、きっと僕の偏見。
いずれにしろ、素人の僕には本当の原因がわからないけれど、ピアノから和音が飛び出してくるたびに、「へ音や」とは違った世界を構築してしまうのだった。今までは、ピアノの音や和音の効果を、こういう感覚で聴いたことはなかったので、それはそれで興味深くて、どうなっていくのか気になる。こんなことは、聴き手が口を出すことではないけれど、ピアノに対して「和音禁止」「単旋律only」という拘束の下で演奏してもらえたら、、へ音や(基本セット)が出していた音に何かが加わった音になっていたかもなぁ。
とはいえ、Calling youでは、3人がへ音や(基本セット)と勝るとも劣らない素敵な音を紡いでいた。物悲しさと切なさ満点。なんとなく、「早く帰っておいでよ」と、入院中の釜鈴さんに呼びかけているように聞こえたのは、気のせいか?
釜鈴さん、早く元気になって帰っておいでよ。みんな、待ってるよ。
タイトル : ヘ音や
日 時 : 2007年08月18日(土) 20:00~
会 場 : Radio & Records ( 札幌市西区琴似1条4丁目2-15 ニシムラビル3F[map] [URL] )
出 演 : ヘ音や(河合修吾(tb), 渡辺文(チェロ), 釜鈴徹(5弦bs))
このグループの話を聞いた時は、正直言って、ひぇ~...と思った。この夏の暑苦しいときに、なにも低音楽器ばっかり集まってライブしなくても...。数年前の夏に、ついついまちがって、『ヨーヨー・マ プレイズ・ピアソラ』をかけてしまったときに、スピーカーから雪崩出してきた暑苦しさを思い出したからだ。いや、チェロ、好きですよ。バッハの無伴奏なら、真夏でも聴けるし。釜鈴さんが弾くようなメロディアスなベースも好きだし、河合さんの優しい音もお気に入り。でも、真夏に3つ集まると....。ねぇ。
でも、やっぱり、行っちゃうのは.....怖いもの見たさ?夏の暑さを、さらに満喫したい?
というわけで、低音楽器トリオのライブ。
全然、暗くない。全然、暑苦しくない。
バロックでもプログレでもない音楽で、「すべての楽器が、単音」「コード楽器無し」ってのを聴いて、久しぶりにわくわくする。コードが土台を作って、その上に他の音が乗っている安定した音楽よりも、一歩まちがうとすべてが崩れてしまうような繊細さをもつ「すべてが旋律を奏でうる」音の方が好きだ。ガラス細工とか、昔、香港で見た「竹で組んだ工事現場の足場」を思い出す。「あ....、崩れるんじゃないか?」とひやひやしながら見てるけど、達人がやると、絶対崩れない。(ときどき、下手打って、壊れちゃったりするけど。)あのスリルがたまらない。音も同じだ。
ただ、この「ガラス細工」を成功させるには、メンバーそれぞれのメンバー全員のバランス感覚が要求されるから、「グループ」でやるのは、結構、難しい気がする。バロックの曲だと、すでに楽譜があって、すでに確立された演奏方法があるから、プロたるもの、あまりメタメタなことはしない....ような気がするけど、最近の曲の場合は、 たとえば、はるか昔に見たJeff Beck(g) + Stanley Clarke(Bs)みたいに、「目立つのは、オメエじゃねぇ、オレだぁ。」大会になってしまったりする。逆に、Carlos Santana(g)とHerbie Hancock(key)の時のように、お互い譲り合いすぎちゃうとか。
1曲目は、僕の席では楽器の音量のバランスが、いまひとつ。ベースがリード取ってるときに、チェロの音がかぶさってしまった。(え?チェロって、エレクトリックベースよりデカい音、出た?と思ったら、ピックアップがついてた。ああ、びっくり。)「ありゃ、これは失敗か?」と思ったれど、いつしかバランスをとったらしく、2曲目以降、いいバランスに。目をつぶって聴いていると、時々、ひとつの楽器の音に聴こえるときもあるくらい音が溶け合ったり、2対1に分かれたり、はたまた、3人それぞれが個性を主張したり。なんか、音でダンスをしてるみたいだ。
途中で気がついたのだけれど、このトリオ、音程がカッチリ決まっている楽器(Bs)と、微妙なピッチを変えられる楽器(VcとTb)、音を持続させられる楽器(VcとTb)と音が減衰していく楽器(Bs)、弦(VcとBs)と管(Tb)....などなど、いろいろな組み合わせを作れるんだな。
後になればなるほど、音のバランスは良くなってきたような気がしたのは、単なる思い込みかな。
最高だったのは、ベースの釜鈴さんがソロをとる時に、チェロがベースラインを弾いた時。チェロがベースラインに移った時、一瞬、何が起こったのか、わか
らなかったくらいスムーズに入れ替わっていたのにびっくり。さすがに「音に違いも分からないくらいだった」とは言わないけれど、ぼんやりしてたら、気づか
なかったもな。僕が「あれっ」と思ったのも、音色の変化じゃなくて、リズムの取り方が変わったからだったし。釜鈴さん曰く、「いつもベースラインを弾いているので、他人にベースラインを弾いてもらって、自分がその上に乗るのは、とても貴重な体験。」たしかになぁ。それも、普段「それって、ベースラインの振りして、旋律ひいてるでしょ」って思うくらいメロディアスなベースラインを弾いている釜鈴さんだからできる芸当だと思うよ。
曲は、Piazzolla、Burt Bacharach、 Stevie Wonder、Beatlesなどなど、メロディアスなものばかり。あ、Stingもあったな。
アレンジ、大変だったろうなぁ。 「ヘ音や」っていうくらい音域は偏っているし、「ええい、ここは、コード鳴らしてごまかしちゃえ」とかできないだろうし、世の中、こんな編成で演奏する人はほとんどいないだろうから、アレンジの参考もないだろうし...。
で、アレンジャーが、お手上げしちゃうと、たいてい、僕の苦手な耳触りが良いだけのサロンミュージック...というか、イージーリスニングになっちゃったりする。なにしろ、初めのうちは「楽器の組み合わせの珍しさ」や「音の組合せの珍しさ」だけで、演奏者たちも面白いし、聴き手も楽しんだ気分になるから、曲のアレンジなんて、それなりでも、しばらくは誰も気にしない。CDになっているようなものでも、こういうのは結構あって、そういうのに出会うと、「ごめんなさい。勘弁してください。」なんていう気分になるんだけれど、今回は、そんな気配は全くなし。彼らにとって「珍しさに負けない音を作る」という実験が、一番大変だったんじゃないかな。僕の勝手な想像だけど。
そんなこんなで、あっという間の45分*2ステージ。お店の中は、お客さんで満員。途中、片してあった椅子だのテーブルだのをひっぱり出してきていたから、大盛況ってところ。
河合さんが「いっぱい、時間を投資してますから」とおっしゃっていたので、また聴けることを期待。3人とも、とても楽しそうだったし、マジメそうな人たちだから、次回はもっとパワーアップしてるんだろうなぁ。楽しみ、楽しみ。チェロの渡辺さんも、ソロの部分を、事前に採譜しないで演奏できる日が来るといいな。人間の習性は、そんなに簡単に変わらないから、「楽譜なし」とか「その場のノリで」は、大変だろうけど。
今度は、秋の夜長に聴きたいなぁ。そんな時期に聞いたら、しんみりしちゃうかなぁ....。
タイトル : 日倉士歳朗/池庄/拳法
日 時 : 2007年05月24日(木) 20:30~
会 場 : フライアーパーク
( 札幌市豊平区平岸4条7丁目12-10 Y's CITY BLD 1F / http://www.st-seki.com/fp/index.html [ map ])
出 演 : 日倉士歳朗(g, vo)/ 拳法( 古舘賢治(g), カポウ(vo, music saw) )/ 池庄( 庄司聡史(g), 池田靖司(g) )
実は、結構疲れていて、当日朝まで、行こうかどうか迷っていたのだが、まぁ、このメンツ、ハズレはないだろうと信じて、お出かけ。
まずは、お約束の失敗。初めてのフライヤーパーク、見つけられなくて、30分ほど、ご町内をうろうろ。かなり不振な奴に見えたと思う。
で、最初に登場したのは、拳法。なんでも、「結成一執念」(誤字じゃないよ)なんだそうで、「いままでにやってきた曲を」とCDに入っている曲を数曲。いつもながら、耳にも、心にも、たぶん、身体にも優しい音。とても素敵な時間のはずなのだけれど、疲労がたまっている状態では、かなり.....つら........い.......。目をつぶって聞いていると、ついつい、あっちの世界に引きづられて行きそう。むむぅ、聞きたい....、でも、この波に乗せられて、熟睡してみたい.....。2人がつむぎだす柔らかい音とは裏腹に、僕の中では壮絶な戦いが...。危ない、危ない。
続いて、池庄。復活3回目....くらいのライブ。前回、聞いたときに、「やっぱ、凄腕」と感心したのだけれど、実は、あの状態にして、まだ本調子ではなかったというとんでもないことが判明。「演奏技術が上がった」とかいう話ではなくて、息の合い方とか、そういうレベルの問題。今回は、特に庄司さんがリラックスしてて、今、思えば、前回は池田さんが押し気味だったらしく、今回は、押された庄司さんが押し返す...という互角の勝負に。前回は、あれでも緊張してたんだなぁ。MCで「いやぁ、緊張しますね」とか言ってるので、このあと、さらにすごいことになるのかもしれない。楽しみだなぁ。
で、メインアクトの日暮士歳朗さん。狭いステージ上に、ギターにスチールに...と並ぶ、並ぶ...。「ま...まさか、一度に複数の楽器を弾くという曲芸に走ったのか」と思ってドキドキしたけれど、そんなギャグ狙いをするわけもなく、その太くて渋い声のブルースとゴスペルが、店内に響き渡った1時間強。
それにしても、主軸がぶれない安心感があって(ちょっと前に感じた「曲芸」疑惑は、びっくりしたけど)、でも、ぶれない主軸の周囲に広いストライクゾーンがあってという、ひとつのことを、長く、かつ真剣に続けてきた人たちが持つ独特の雰囲気が心地良い。演奏してるときの表情も、良かったなぁ。拳法、池庄、キッコリーズの人たちも、彼の年齢になったら、こんな雰囲気になるかなぁ。
途中、キッコリーズとモジョでバイオリンを弾いている鈴木裕さんが加わったり、ブルースハープの若者(ごめん、名前を失念)が参加したりで、大盛り上がりなライブ。(うわさでは、このあと、この日、ステージに上がったひとたち全員が、酒を飲みながら、朝まで演奏を続けるという企画もあったらしい。実現したかどうかは、不明....だけど、きっと、やったんだろうなぁ。)
元気、もらいました。エネルギーも受け取りました。ありがとう。
さて、この日の最大の失敗。疲れてぼんやりしていたので、日倉士さんのCDを買ってサインしてもらうのを忘れて店を出てしまったこと。ああ、なにやってんだ、オレ...。